" /> 甲子園名実況 言葉だけで伝わる当時の試合 | さいたまたいさ

甲子園名実況 言葉だけで伝わる当時の試合

野球

今回は名実況について触れたいと思います。
以前に触れたものとも重複するのもありますが、まとめて更に見やすくしようとしました。
試合を見ている人のほとんどはテレビ観戦をしていた人だと思いますので、それぞれの名実況でその時の興奮を思い出してもらえればと思います。見ていなかった人にも簡単に試合内容などが伝わるようにしていきたいと思います。

「荒木大輔鼻つまむ!」

1982年夏の準々決勝の早稲田実業VS池田高校で出名た実況です。
「荒木大輔鼻つまむ!」
早稲田実業の荒木大輔投手は第62回夏の甲子園1980年8月11日に甲子園デビューします。
相手は優勝候補の一角の大阪代表北陽高校です。しかしその相手に1年生の荒木大輔投手は1安打完封勝利。その後もこの大会では44回1/3連続無失点の力投で決勝進出。決勝では愛甲猛投手擁する横浜高校に敗れはしましたが準優勝となります。そこから空前の【大ちゃんフィーバー】が巻き起こります。

3年生の夏まで5季連続で甲子園出場。甲子園の顔とまでなっていた荒木大輔投手ですが、1982年夏の準々決勝の早稲田実業VS池田高校戦で、池田高校の猛攻で2-14という戦前の予想を大きく覆す大差をつけられて敗れてしまいます。しかし5季連続で甲子園を沸かせた荒木大輔投手の名前が名実況のひとつと言われるのは荒木大輔投手がそれだけ社会的に関心を集めていた証だといえます。


ちなみに松坂大輔投手の名前は荒木大輔投手からいただいた事は有名です。

「甲子園は清原のためにあるのか!」

1985年夏の大会決勝戦で、PL学園VS宇部商業との決勝戦での名実況です。
「甲子園は清原のためにあるのか!」
3年生で迎えたKKコンビ最後の甲子園での試合です。宇部商業の4番藤井進選手は決勝前まで4本のホームランを打っていました。清原和博選手は3本のホームランです。試合前の下馬評はPL学園有利の声が多数。

しかし、試合は宇部商業のペースで進みます。2回表に宇部商業が先制点を上げると、4回裏清原和博選手がレフトへホームラン!これで大会通産ホームランも宇部商業の4番藤井進選手と並ぶ4本となり、試合も同点の振り出しとなります。

その後も試合は宇部商業のペースで進み6回裏の時点で3-2PL学園のビハインドの中で、清原和博選手のあの名実況のバックスクリーン横への特大の同点ホームラン及び大会通産5本目のホームランがうまれます。

あのフレーズが今でも語り継がれるのは、誰もがそう思ってもおかしくない試合だったからです。

「勝負はしません!」

1992年夏の大会で星稜高校VS明徳義塾との対戦での名実況です。
「勝負はしません!」
甲子園球場のラッキーゾーンのフェンスが撤去されての初めての大会です。高校野球界で怪物と呼ばれていた、星陵高校の松井秀喜選手に対して5打席全て敬遠と完全に勝負を避けた時に伝えられた実況です。

対戦結果は星稜高校2-3明徳義塾で明徳義塾の勝利で終わっています。こちらは野球ファンだけではなく世間でも大きなニュースとして取り上げられました。この事は人によって意見は分かれます。もちろんどちらが正解かも分かりません。「高校野球観」の違いで色々な意見がでるのだと思います。


【敬遠有】の意見としては、試合の結果を見たら明徳義塾が勝ったので間違っていないという意見が多いと思います。
【敬遠無】の意見としては、勝敗が全てではないという意見が多いと思います。
どちらの意見からも言えるのはあの時の松井秀喜選手と勝負をしたら打たれる可能性が高いと思っている人がほとんどだという事です。さいたまたいさの考えは、プロ野球なら有!だけど高校野球なら無!です。
これも人の野球観だと思います。プロ野球なら完全勝利を目指して戦いますが、高校野球は連投も反対している通り野球の中で身に付ける高校野球後の人生においてプラスがないと思うからです。

「さあー松坂をマウンドに送り出します!」

1998年夏の大会準決勝戦横浜高校VS明徳義塾で横浜高校の怪物・松坂大輔投手に対して出た名実況です。前日の準々決勝のPL学園戦で、延長17回250球を投げた松坂大輔が疲労から準決勝の先発を外れ、4-6と劣勢の9回に流れを変えるためにマウンドに上がる際にでた実況です。松坂大輔投手登場で甲子園球場の雰囲気が一転して奇跡の逆転へと繋がっていきます。
「さあー松坂をマウンドに送り出します!」
前日のPL学園戦が壮絶すぎて、個人的には松坂大輔投手には投球はせずにがんばって欲しいと思って試合をみていました。八回表を終わって0―6で明徳義塾のリード。PL学園ファンのさいたまたいさとしては、PL学園に勝ったのだから頑張って欲しいという気持ちもありましたが、総合力では勝っていても勝てない事があるのが高校野球だとあきらめていました。しかし8回裏に横浜高校は先頭打者の加藤重之選手のショートゴロが失策で出塁。そこから4点を返して4-6でまだ横浜高校ビハインド。そして松坂大輔投手がテーピングを外し投球練習に向かい甲子園の雰囲気は一転します。

その異様な雰囲気の中で松坂大輔投手がマウンドにのぼりあの名実況が生まれます。結局9回表の明徳義塾のクリーンアップを3人15球で抑えます。その後の9回裏、甲子園は完全に横浜高校が何かを起こしてくれると期待したムードとなり、劇的な逆転サヨナラ勝ちで横浜高校が決勝進出となります。終わってみると漫画のような試合展開ですが、この年の横浜高校は奇跡的な試合が多いチームでした。

「繋いだ!繋いだ!日本文理の夏はまだ終わらない!」

2009年夏の大会決勝戦で中京大中京VS日本文理の試合に出た名実況です。
6点を中京大中京がリードしているところを、最終回に5点とり、1点差まで追い上げていく中ででた実況です。
「繋いだ!繋いだ!日本文理の夏はまだ終わらない!」
新潟県出身のさいたまたいさですが、実は日本文理高校も高校受験で受けて合格しています。しかし、県立の実家から近い高校にも受かったので入学はしていません。この試合は特に新潟県人なら歴代NO1の高校野球の試合に選ばれるのは間違いありません。

実は仕事の都合で9回まで車移動のラジオで聞いていました。しかし見れる環境ができたので近くの家電屋によって最後だけ見ようとテレビコーナーへいきました。そこで9回表2死となり正直あきらめていました。しかしそこから怒涛の攻撃、選手達の選球眼もすばらしく、攻撃がつながり、4番吉田雅俊選手のサードへのファールフライがグラウンドに落ちた後は更に猛攻が続き、漫画の出来事が起こっているかのような夢を見ているような試合でした。