ドカベン(水島新司)
1972年~1981年まで「週間少年チャンピオン」に掲載された野球漫画の名作です。
昭和生まれの人はこの漫画に影響された人は多いと思います。
神奈川県の明訓高校野球部の「ドカベン」こと山田太郎を筆頭に、岩鬼正美、殿馬一人、里中智などのチームメイトなど個性豊かな登場人物や当時の野球漫画の中ではリアルな野球の描写が多く漫画界の新境地を開拓したヒット作です。
明訓高校のモデルでなったのは新潟明訓高校ということを比較的知れていますが、水島新司先生は新潟明訓高校の出身ではありません。またライバル高校に不知火守選手の白新高校と学校がありますが、こちらは水島新司先生の母校である白新中学校がモデルとなっています。
このドカペンでは様々な名試合がありますが、一番の試合は山田達が2年生の時の春のセンバツ決勝戦明訓高校VS土佐丸高校戦です。
明訓四天王(山田、岩鬼、殿馬、里中)の過去の回想シーンがあったり、ドカペン史上でも非常に濃い中身の試合になっています。
また水島新司先生の作品は数多くありますが、「あぶさん」「一球さん」「男どアホウ甲子園」「球道くん」「野球狂の詩」「大甲子園」などあります。
タッチ(あだち充)
言わずと知れた名作野球マンガ。野球マンガとしてだけでなく、ラブコメ漫画としても人気の作品です。1981年~1986年まで「週間少年サンデー」に掲載されました。
上杉達也・和也の双子の兄弟と馴染の浅倉南を中心に描かれています。さいたまたいさの一番好きな野球漫画です。野球漫画ではありますが、ドカペン以上にリアルな野球描写が多くスポ根的な要素はありません。
また甲子園でのプレーしているシーンも無く最終巻では、悲願の甲子園出場を果たした明青学園が試合の描写はありませんが、甲子園で優勝を果たしています。
漫画の台詞に出てくる言葉以外のシーン、描写がえがかれていなくてもそれを想像させるイラスト、極上の映画をみているかのような体験を感じます。漫画の形態をしている小説というべきかもしれません。とにかく野球好きとか関係なくおすすめしたい作品です。
他あだち充先生の作品には、「ナイン」「スローステップ」「ラフ」「H2」「クロスゲーム」等色々ありますが、やはりあだち作品の中でも名作中の名作のタッチはお奨めです。
MAJOR(満田拓也)
1994年~2010年まで「週間少年サンデー」に掲載された平成野球漫画史では一番人気かと思われる作品です。主人公の茂野吾郎の半生を描いた先品で、こういった作品では珍しく幼稚園時代から始まり、リトルリーグ、三船東中学校、海堂学園高校、聖秀学院高校、マイナーリーグ、W杯、メジャーリーグ、日本プロ野球と舞台が移り変わっているのも特徴です。
どの舞台でも所属するチームを情熱で突き動かしていくのが中心ですが、団体球技の野球の素晴らしさを感じさせる事が多く純粋に見ていると涙が浮かぶ場面も多くあります。
純粋すぎるほど純粋で、野球に取り組むいわゆる「野球バカ」は小さい頃の少年時代を思い出せてくれる作品です。映画の「スタンドバイミー」のような作品と言ってもいいのではないでしょうか。
単純明快に野球を楽しめる漫画だと思います。
キャプテン(ちばあきお)
1972年~1979年まで「月間少年ジャンプ」に掲載された非現実的な技を活用する熱血野球漫画ではなく、成長過程を描いていったスポーツ漫画としての新たなスタイルを築いた作品です。
谷口タカオ-丸井-五十嵐-近藤 とそれぞれ個性のバラバラの中でキャプテンを務めたチームを描いています。昭和の古き良き東京の下町が舞台となっており、苦しい練習をすれば強くなり、チームも勝てるという考えは現代のスタイルではありませんが、悩み、苦しみ、試行錯誤しながら人間的にも成長していく4人のキャプテンの姿は非常に心が惹きつけられます。
谷口キャプテンは名門青葉学院野球部出身(実際は二軍の補欠)という事で大きな期待をかけられ、その期待を裏切らないように影で努力する姿は涙させられます。自分の背中を見せて、チームを引っ張っていく姿は「ミスターキャプテン」と感じられます。
ちなみにあのイチロー選手も日本プロ野球入団のオリックスブルーウェーブ時代は寮に持ち込んでいたと言われています。また高校進学後の谷口を中心に描いた作品として「プレイボール」もあります。
ROOKIES (森田まさのり)
1998年~2003年まで「週間少年ジャンプ」に掲載されたヤンキー野球漫画です。
テレビで実写ドラマ化され放送され人気の高い作品でしたので漫画よりアニメの方は知っている人も多い作品かもしれません。内容としてはヤンキーと呼ばれる少年達が野球を通じて更正していく姿はドラマ「スクールウォーズ」と通じる作品といえます。
野球の集団スポーツの素晴らしさ、また主人公の川藤幸一先生の真面目で人を信じ正面から向き合おうとする熱血教師ぶりは昔の学園ドラマにも通じ、純粋に心に響く作品です。
また野球ファンなら気づいていると思いますが、二子玉川学園高校(通称ニコガク)の選手達の苗字は全て、阪神タイガースに在籍していた選手がモチーフとなっており、選手の苗字とキャラクターの性格のギャップが通な野球ファンとしては楽しめます。
スカッと考えず楽しめる野球漫画だと思います。